青く澄み切った海と空、そして深い緑の原生林のテニアン島は不思議アイランド。時間が止まったままの空間にハイクをします。
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詩集「テ二アン島」


詩集「テ二アン島」

      

テ二アン高校の図書館に勤める次女が、「これを読んでみてね。きっとママにとっては興味深い詩集だから。」と言って持ち帰ってきた一冊の詩集は、白地に真紅の南洋桜の花の表紙。詩集の題名は「テ二アン島」だった。著者の工藤恵美子さんが大切に心に残してこられたテニアンでの想い出を、優しく深く想う家族への愛情、テ二アンでの平和だった日々の事、そして忘れてはならない戦争での重く苦しい想い出を詩に描かれ、一つ一つの言葉から私達の心に優しくそしてまた力強くその情景が伝って来ます。そんな一冊の詩集と今のテ二アンと重ね合わせてみました。

工藤恵美子さんの暖かいご理解の元でいくつかの詩を引用させていただきました事に御礼を申し上げます。

テ二アン日本時代の写真は、「はるかなるテ二アン」より引用させていただきました。

     続きはREAD MOREからお読みください。





 「スズラン通り」現在。       

「スズラン通り」戦前、日本時代。正面に見えるのは「カロリナス台地」。

    「赤道通り」現在

          

テ二アン島の著者、工藤恵美子さんはテ二アン島テ二アン町で生まれ、1944年、太平洋戦争戦況激化のため10歳の時にお母様、幼い妹さん、弟さんと共に引き上げ船で帰国されました。その時お父様が一人テ二アン島に民間人の警防団長として残り、戦火の中、重症を負い自決されたそうです。

「町」

母と

島のメインストリート

スズラン通りを端から

思い出していく

 

一軒目は南洋貿易

二軒目は仲尾歯科

三軒目は佐々木菓子店

そして材木店のわが家

となりの大村時計店は

同級生のてっちゃん

斜めの向かいは

薬屋のみどりちゃん

そして三河屋

地球劇場

大洋商店

 

母は町並みを

はっきり覚えている

声に出して言う

それから思い切ったように

もう一度島へ行こうと言う

 

 

南洋庁サイパン市庁テ二アン出張所跡 パパイアの木の下辺りが正面玄関だった所。

自転車を漕いでる人の向かって右が同上の場所。今でも生垣の土台と建物の一部が残っている。   

 

 

右に見えるのが興発鉄道の高架線路台跡。この坂道の先、海が見える辺りが支庁桟橋だった。

当時の支庁桟橋

 

「わたしのマル」

校門を出て

いっきに坂を下る

通りの角で

私は叫ぶ

「マルー」

 

どこからか

飛び出してくる

まるまるとした背を

私の足にからませる

 

あの日

マルを残したまま

私は船に乗った

 

南溟の島

今も桟橋で待つ私のマル

問いかけるあの目

 

「島の坂道」

母は

杖に身を委ねて

数歩をのぼる

杖をとめて

ふり返る

 

蒼い海にのびた

桟橋

めじるしだった

二本椰子も見える

記憶の風景がひろがる

 

暑い風の中で

まるくなった背をのばし

あの頃を見ている

 

更に数歩を

坂をのぼりきるまで

いくど杖をとめたであろう

 

いま母は                

珊瑚礁の海のひろがりの

中にいる

はるか彼方には

弧を描く水平線

 

      

テ二アン尋常小学校正面

  

校舎

 

  

校舎裏

  

学校裏、タンク跡

  

 同上、日本時代テ二アン尋常小学校。白爺さんの母校でもある。

 

 

テ二アン小学校跡の隣にある、サンホセ教会。手前の影の部分に写っている丸いコンクリが「テ二アン神社」の第一の鳥居跡。

 

同上テ二アン神社、第二の鳥居。

 

 

テ二アン町消防組

 

  

郵便局跡

 

 

天水タンク

 「再会」

それぞれに抱きしめている風景

たぐりよせ

つなぎ合わせて

記憶を鮮明にする

 

兵隊さんそっくりの

先生の歩き方を真似して

皆で笑ったこと

そしてあくる日よび出されたこと

 

それぞれの家を

丸や四角の巨大な

天水槽で覚えている

 

天水槽の上は

子どもたちの遊び場

まりつき おはじき ままごと

ままごとの店先は

いつも砂糖黍でいっぱい

 

坂を下るとすぐ海          

こっそり泳いでも

濡れた下着を

すぐ乾かしてくれた

南の島の太陽                   

 

生きていてよかった

いま確かめ合う

互いの目の中の蒼い海

 

 

あいづ屋跡、この先が「友奇旅館」、「松島楼」など遊郭やカフェが集まる歓楽街だった。

 

 

スペイン教会跡(書籍屋)

   

タガ遺跡

  

日本時代タガ遺跡

 

工藤さんの詩を引用させていただいて、ここに私が書くことは何もない。その詩の中に全てが描かれています。詩集はテ二アンでの数多くの想い出がぎっしりと詰まっており、目を瞑り思い浮かべればテ二アンがすぐそこにあるような親しみを感じられることでしょう。

今でもテ二アンには戦前の日本時代の面影があちこちと残されている。そこには新しい時代の人々が生活をしている場であったり、ジャングルに埋もれた誰の目にもとまらない場所だったりする。

工藤さんの詩の中には私が毎日のように通っている道があったり、蒼い海だったり、天水タンクだったり、戦跡だったり、詩を読むたびに情景の中に自分がそこに居るような、そんな気がする。

幸いに英訳もされているので沢山のテ二アンの子ども達にも読んでもらいたい。かつて日本時代にはこんな良い時代があって、そして又戦争で辛く悲しい時代もあったんだ、という事実を知ることが今の自分達の平和で幸せな毎日がどんなに大切なものなのか、その計りになることだろう。

工藤恵美子さん、お母様、ご家族の皆様がいつまでもお元気でありますように。

 

    

                  テ二アン島より  By Mitsue Evangelista

    

 

     

 

 

     


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2008⁄12⁄05 19:41 カテゴリー:ハイク etc. comment(8) trackback(0)
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コメント


懐かしい!
懐かしく拝見しました。
昔の写真を見て感激したので、白爺も初めてテニアンへ行った頃(1972年)の写真を出してきて見ています。
今と随分変わっているので、そのうちに紹介したいと思います。
(2008/12/06 10:35) URL | 白爺[ 編集]


以前、白爺さんが送ってくださった地図や手書きの地図などをいつも見ては日本時代のテ二アンに思いを馳せています。ハイクをする時にも参考になります。
時は過ぎても残っている物が多いのが興味深いところです。

写真のアップも楽しみにしています。テ二アン入りする前の宿題ですよ。
(2008/12/06 16:21) URL | michi[ 編集]


今でも面影を留めている、大昔からの遺跡に、当時の人々によって築かれたたくさんの建造物。貴重な歴史が、戦争という悲しい出来事が影を落として、重ねた年月の風化を変えてしまっていることが大変残念です。
工藤さんの詩に刻まれている、当時の鮮明な様子と生き生きとした希望のお言葉と同じく、どうか平和だった「テニアンの日本」がたくさんいい形で残されますように。
(2008/12/06 23:32) URL | ありどん[ 編集]


ありどんさんが仰るような「平和だったテ二アンの日本」が、ちょっとした茂みの中から見つかったりするんですから、それだけテ二アンの開発はゆっくりと言うか、永遠にそのまま朽ち果てるまでそこに残されていくのか、不思議な空間でもあります。
(2008/12/07 10:33) URL | michi[ 編集]


この「テニアン島」という詩集、テニアンに行くたびに持っていっていたんです。
自前で持っていないので、その都度地元の図書館で借りて。
表紙(ボクの知っているのは黄緑色の表紙なんです)を見ると、新装版が出たんですかねぃ?
この詩集は、当時のテニアンの様子が手に取るように伝わってくるんですよね。
(2008/12/07 11:02) URL | 荘之助[ 編集]

愛情溢れてます
この素晴らしい詩集をご紹介くださったお嬢様の心の優しさ(と、お母様への愛情)も素敵なお話です。
今のテニアンが、穏やかで平和な島であることをあらためて感じますね。
お写真は目に焼付け、詩は心に刻んでおきたいです。しっかりと。
(2008/12/07 22:05) URL | ありどん[ 編集]


荘さん、

私が読ませていただいたのは対訳版だと思います。英訳も大変上手に訳されており、工藤さんの文体がそのまま変わらず伝わってきます。英語圏の人たちにも読んでいただきたいですね。詩集の中には国境がないんだ!
素晴らしいことです。


ありどんさん、

いつも素直で思いやりあるコメントをありがとうございます。粗野なブログで恐縮ですが大切に読んでいただき私の言わんとする意図と的確に掴んでくださっていることに感謝です。次回ありどんさんがテ二アン入りする時は必ずこの詩集をお届けしますね。
(2008/12/08 09:34) URL | michi[ 編集]


テニアン歴史を様々な角度から紐解き、発掘して伝え、残そうとご尽力されているmichiさんのブログは、読んでいていつも興味をそそられますし、勉強になります。おかげで益々テニアンが大好きになります。この詩集にも早くお目にかかれるといいですね。またまた楽しみが増えました。(嬉!)
(2008/12/09 22:25) URL | ありどん[ 編集]



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